【日本の伝統】お正月の遊びを子どもとやろう!【子ども・孫】
テレビゲームやおもちゃなど、子供の遊び道具はいろいろありますが、素朴な古来からの“遊び”もやってみると面白いもの。子育て世代では、パパがしっかりと伝統の遊びを教えてあげてはいかがでしょう。シニア世代は、お孫さんとの交流に、子どもだった頃の遊びを一緒に楽しんでみてはいかがでしょう。今回の男の家事は、子供たちに伝えたい「お正月の遊び」を紹介します。
お正月遊びに込められた願い
伝統の遊びには、子供たちの成長や厄よけなど、楽しいだけでなく、いろいろ意味が込められていました。
凧揚げ
古来の中国では「占いや戦争の道具」として使用され、日本には平安時代に「貴族の遊び」として伝わります。江戸時代になって男子の誕生祝いに「凧揚げ」をするようになり、庶民の遊びとして定着したようです。また、昔から「立春の季に空に向くは養生のひとつ」といわれたことから、立春に凧あげをするようになりました。昔は立春が新年だったため、暦の変更とともに「正月の遊び」として定着します。
遊び方もより高く揚げて楽しむだけでなく、相手の凧を落としたり、糸を切ったりする「凧合戦」「凧けんか」などもあります。
凧の呼び方も地方によって異なり、東京では「たこ」、関西では「いか」、長崎では「はた」、東北では「てんぐばた」、群馬や長野では 「たか」、中国地方では「たつ」などと呼ばれます。
独楽(こま)まわし
「独楽(こま)」の名前の由来は、奈良時代に中国の唐から朝鮮半島の高麗(こま)を経て伝わったからだといわれています。当初は貴族の遊びでしたが、江戸時代になってから庶民の遊びとして定着します。やがて、独楽の曲芸を見せる芸人が現れ、元禄時代には、行商人が客寄せに独楽回しの芸を見せて人気を集めました。
羽根つき
羽根をつけた硬貨を蹴る中国の遊びが、室町時代に伝わったといわれています。やがて「一年の厄をはね、子供の健やかな成長を願う遊び」として親しまれます。打ち損じたとき顔に墨を塗るのも、魔除けの意味が込められています。遊び方には、1人で何回つけるか競う「つき羽根」と、二人でついて勝負する「追い羽根」があります。
かるた「いろはかるた/百人一首」
かるたの語源は、室町時代にポルトガル船が伝えた「うんすんかるた」といわれていますが、ルーツは平安時代の「貝合わせ」といわれています。
■いろはかるた
江戸時代、言葉やことわざ、生活の知恵などを、子供が遊びながら覚えられるように考えだされます。
■百人一首
奈良時代から鎌倉時代までの和歌を、藤原定家が選んだ「小倉百人一首」をもとに、宮中の遊びだったものが江戸時代に広まったものです。
福笑い
目かくしをして、顔の輪郭を描いた紙の上に「目・鼻・口・耳・眉」などのパーツを置いていく遊びです。完成した顔が滑稽なので、それを笑って楽しみます。「笑う門には福来る」の縁起のよいところから正月の遊びとして広まります。
すごろく
もともとは、二人で盤の前で行う将棋や囲碁のような遊びでした。サイコロを振り、出た目の数だけ石を進めて、敵陣へ先に石を全部送り込んだ方が勝ちとするゲームでした。やがて、絵すごろくが考えだされ、「出世すごろく」「道中すごろく」など、江戸時代には子供の遊びとして広まります。
お正月遊びのいわれを伝えながら、子供たちと一緒に遊んでみてはいかがですか?