子どもが「溶連菌感染症」にかかったら?
12月〜3月の冬、子どもの“のどが痛く”なる「溶連菌感染症」が流行します。今回の男の家事は、子どもが「溶連菌」に感染したときの症状や完治への対処についてご紹介します。
溶連菌感染症とは
冬の間、のどが痛くなる病気に感染する病原体は、ウイルスや細菌によるものです。多くはウイルスによるものですが、細菌では怖い「合併症」を引き起こす「溶連菌」の感染に注意しなければなりません。この細菌による「溶連菌感染症」は、子どもに多く感染する病気です。
溶連菌感染症が流行しやすい時期
「溶連菌感染症」は1年中ありますが、のどは12~3月に、皮膚は7~9月に多い傾向があります。
溶連菌感染症の症状
症状の始まりは38~39度の熱とのどの痛み、嘔吐から。風邪と症状が似ています。
- 咽頭炎・扁桃腺炎:発熱(90%以上)、のどが痛い、のどが赤い、扁桃腺に白いものがつく。
- 口蓋の点状紅斑・点状出血斑:口の中に赤い小さな点状の出血斑が認められます。
- イチゴ舌:舌の表面が、イチゴのようなツブツブができたりします。(発病2~4日目)
- 全身発疹:顔やからだ(特にわきの下、下腹部)に、小さい赤い発疹が多数出現し(発病1~2日目)、かゆみを伴うことも多いようです。
- 皮膚落屑:ほかの症状が消えた後(5~6日目以降)に手足の指先から皮がむけてきます。
溶連菌感染症になったら
溶連菌感染症の検査から、その後の対応について見ていきましょう。
病院の検査
溶連菌感染症の検査には、それほどの時間は要しません。綿棒で、のどの菌を採取して検査。溶連菌かどうか15分位で診断できます。
溶連菌感染症と診断されたら
溶連菌の感染と診断されれば、熱やのどの痛みといった症状をやわらげる薬と、「抗生物質」が処方されます。溶連菌は、合併症を引き起こす原因になりやすい細菌のため、完全に退治するために10日間〜14日間ほど抗生物質を飲み続ける必要があります。「症状が治まったから」といって薬を飲ませないのは禁物です。
看病について
- 家庭では、安静にするようにしましょう。
- 水分はしっかりとるようにしましょう。炭酸水といったのどに刺激のあるものは避けます。
- 食事は、「辛い」「すっぱい」「熱いもの」「冷たすぎるもの」など、のどに刺激のあるものは避けます。なるべくのどごしが良く、消化の良いものが良いでしょう。ゼリーやプリン、ヨーグルト、ポタージュスープ、おかゆ、うどんなど。
登校や登園について
有効な抗生物質を内服後24時間経つと、感染力はほとんどなくなりますが、「学校保健安全法」では第三種に位置づけられており、医療機関の受診日とその翌日は登校・登園できません。症状が改善した後も、2~3週間後に検査しましょう。
合併症について
溶連菌感染症は、合併症を引き起こす原因になりやすい細菌ですので、完治するまで注意が必要です。
- 直接的な合併症:中耳炎・気管支炎・リンパ節炎・副鼻腔炎など
- 急性腎炎:溶連菌感染後、3~4週後に発生することが多く、突然、むくみ、尿が少なくなり、血尿や蛋白尿が出たり、血圧が上がるなどの症状があります。安静、食事や運動の制限や入院が必要になることがあります。
- リウマチ熱:溶連菌感染後に、発熱や身体の各部に炎症が認められます。(多関節炎、不随意運動、皮下結節、心炎)
予防について
予防には、手洗い、うがい、咳エチケットが有効です。
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