地方色豊かな「お雑煮」のいろいろ
お正月料理に欠かせない「お雑煮」。餅と具、おつゆのシンプルな料理ですが、地方によっていろいろなレシピがあります。今回の男の家事は、地方色豊かな「お雑煮」を紹介します。
お雑煮の主役「餅」
お雑煮に入れる「餅」は、「焼く・煮る」の調理法や「丸・角」の形の違いで、大きく「角焼」「角煮」「丸焼」「丸煮」の4つに分類できます。一般的に、「角餅」は東日本、「丸餅」は西日本に多いようです。その境は、富山県・石川県・岐阜県・三重県・和歌山県などで、両方の餅が混在しています。
味付け
■関東風雑煮
しょう油仕立てのすまし汁
■関西風雑煮
白みそ仕立て。西日本でも近畿・福井・四国の東部以外は、しょう油仕立ても多い。
日本各地の雑煮
各地方の特産物を使った個性豊かな雑煮があります。
岩手県「三陸海岸のお雑煮くるみ餅」
砂糖やしょう油で調味した「くるみだれ」を餅につけて食べる雑煮。大根、にんじんの千切り、ごぼう、せり、かまぼこ、腹子、貝など。「角焼」「しょう油すまし汁」
東京「お雑煮」
江戸雑煮は、かつお節と昆布だし、しょう油の汁で、焼いた餅のシンプルな雑煮です。大根、にんじん、小松菜、かまぼこ、鶏肉、海苔など。「角焼」「しょう油すまし汁」
新潟「お雑煮」
鮭といくらが入った豪華な親子雑煮。大根、にんじん、里芋、ごぼう、ほうれん草、長ネギ、こんにゃく、焼き豆腐、塩鮭、いくらなど。「角焼」「角煮」「しょう油すまし汁」
長野「松本のブリ雑煮」
鰤街道を運ばれてきたブリがメインのお雑煮。ブリ、大根、にんじん、小松菜、かまぼこ、鶏肉、海苔など。「角焼」「しょう油すまし汁」
福井「かぶら雑煮」
昆布だしの味噌仕立ての汁に、丸餅と茎つきのカブが入る雑煮。具材のカブは「株を上げる」という縁起担ぎから。味噌は白みそ、赤みそなど家庭によって違います。「丸煮」「みそ仕立て」
京都「京雑煮」
丸餅と里芋、白みそに花かつおをたっぷりかけます。丸い餅は「争いごとがなく、丸く収まるように」という願いから。白みその味わいをいかすために、だしを取らないのがおすすめ。大根、里芋、頭芋、かつお節など。「丸煮」「みそ仕立て」
香川「讃岐のあん餅雑煮」
かつおと昆布のだしの白みそ仕立てに、あん餅が入ります。砂糖が貴重だった時代の名残りです。大根、にんじん、干しえび、あん入り丸餅、青のりなど。「丸煮」「みそ仕立て」
島根「小豆雑煮」
松江市や出雲市平田地区のあたりの出雲地方では小豆雑煮を食べます。現在では、甘いぜんざいが多いが、もともとはゆで餅に塩味のすまし汁、煮小豆をのせたものでした。小豆。「丸煮」「小豆仕立て」
広島「ブリ雑煮」
出生魚のブリとカキを入れます。だしは、ブリの頭や骨を使います。カキは「福をかき寄せる」縁起物。大根、にんじん、白菜、こんにゃく、結び昆布、スルメ、かまばこ、はまぐり、塩ブリ、カキなど。「角焼」「丸焼」「丸煮」「しょう油すまし汁」
長崎「山海の幸のお雑煮」
ブリをはじめ、山海の幸が10品以上入る豪華な雑煮。大根、にんじん、ごぼう、ミツバ、椎茸、くわい、昆布、焼き豆腐、かまぼこ、かき、塩ブリ、鯛、鶏肉など。「角焼」「しょう油すまし汁」
それぞれの特産品や風習が反映される「お雑煮」。新年会などで、出身地のお雑煮話は盛り上がること間違いなしです。